インプラントで失敗しないために。代表的な症状と医院の選び方を解説

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インプラント治療は失った歯を取り戻す素晴らしい方法ですが、「もし失敗したらどうしよう」という不安を抱えている方は少なくありません。

高額な費用と外科手術を伴う治療だからこそ、リスクについては慎重になるのが当然です。

この記事では、インプラント治療における「失敗」の具体的な症状や原因、そして後悔しないための対策について、専門的な視点を交えて分かりやすく解説します。

監修:新殿 慶太にいどの けいた先生 梅田アップル歯科 歯科医師

インプラントの失敗とは?代表的な症状

インプラント治療における「失敗」とは、単にインプラントが抜け落ちることだけを指すのではありません。患者様が期待していた機能や見た目が回復せず、痛みや違和感が続く状態も広義の失敗に含まれます。まずは、どのような状態がトラブルのサインなのかを正しく理解しましょう。

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手術直後の痛みや腫れが続く

手術直後、数日から1週間程度の間、痛みや腫れが生じることは生体反応として通常の範囲内といえます。

しかし、2週間以上経過しても痛みが引かない場合や、鎮痛剤が効かないほどの激痛が続く場合は何らかのトラブルが起きている可能性があります。

手術による骨へのダメージが過度であったり、細菌感染を起こしていたりするケースが考えられます。以下の表で、正常な反応と注意が必要な症状の違いを確認してください。

期間 通常の反応 注意が必要な症状
(失敗の可能性)
手術当日〜3日 痛み止めで治まる痛み、頬の腫れ 止まらない出血、耐え難い激痛
1週間後 腫れや痛みが徐々に引いてくる 痛みが強くなる、膿が出てくる
2週間以降 違和感がほぼなくなる 噛むと痛い、インプラントが揺れる

インプラントと骨が結合しない

インプラント治療の成功の鍵は、チタン製の人工歯根(フィクスチャー)と顎の骨がしっかりと結合することにあります。これをオッセオインテグレーションと呼びます。

しかし、何らかの原因でこの結合がうまくいかず、インプラント体が骨の中で動いてしまうことがあります。手術中にドリルで骨が高温になりすぎて火傷のような状態になった場合や、骨の質が柔らかすぎる場合などに起こりやすい現象です。

この状態になると、被せ物を装着しても噛む力を支えることができないため、基本的にはインプラントを撤去して再手術を行う必要が出てきます。

結合していないインプラント
結合したインプラント

治療後にインプラント周囲炎になる

治療が完了し、数年経過してから起こるトラブルの中で最も多いのが「インプラント周囲炎」です。

これは天然の歯における歯周病と同じような病気で、インプラント周辺の歯茎が炎症を起こし、最終的にはインプラントを支える骨が溶けてしまいます。天然歯には歯根膜というバリア機能がありますが、インプラントにはそれがないため、一度感染すると進行しやすい傾向があるとされています。

日々の歯磨きが不十分であったり、定期的なメンテナンスを怠ったりすると、せっかく入れたインプラントが抜け落ちる原因となります。

インプラント周囲炎

見た目が不自然で審美的な問題がある

機能的には噛めていても、見た目に満足できなければ成功とは言えません。例えば、歯茎が下がってインプラントの金属部分が露出してしまったり、隣の歯と比べて歯の形や色が明らかに違っていたりするケースです。

これは事前のシミュレーション不足や、骨の量が足りない場所に無理にインプラントを埋入した場合に起こりやすくなります。

特に前歯のインプラント治療は高い審美性が求められるため、歯科医師の高度な技術と経験が必要とされる領域です。

審美不良のインプラント

神経損傷による麻痺やしびれ

下顎の奥歯にインプラントを埋入する際、最も注意しなければならないのが神経の損傷です。

顎の骨の中には下歯槽神経という太い神経が通っており、インプラント用のドリルやインプラント体そのものがこの神経に触れたり傷つけたりすると、唇や顎にしびれや麻痺が残ることがあります。一度神経を損傷すると、回復には長い時間がかかったり、最悪の場合は麻痺が症状が長期間続く場合があります。

これは事前のCT検査による正確な診断と、慎重な手術操作があれば多くの場合は防げる事故です。

大きな神経の近くのインプラント

インプラント失敗の主な原因

インプラントの失敗には必ず原因があります。それは歯科医師側の技術的な問題だけでなく、患者様自身の健康状態や生活習慣が関係していることもあります。どちらか一方の責任と決めつけるのではなく、複合的な要因を理解しておくことが大切です。

歯科医師の技術や診断の未熟さ

インプラント治療は外科手術を伴うため、歯科医師には高い専門知識と技術が求められます。

しかし、事前の検査で骨の量や質を見誤ったり、神経の位置を正確に把握できていなかったりすると、手術中のトラブルに繋がります。また、咬み合わせの設計が不適切だと、特定のインプラントに過度な力がかかり、早期の破損や脱落を招くこともあります。

歯科医師の経験や診断体制の違いが影響する場合があります。リスクを予見する能力の欠如は、失敗の大きな要因となり得ます。

ベテラン歯科医師のインプラント治療

患者側の持病や生活習慣の影響

患者様のお体の状態も治療の成否に大きく関わります。特に糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患がある場合、傷の治りが遅くなったり、骨とインプラントが結合しにくくなったりするリスクが高まります。

また、喫煙習慣はインプラントにとって最大のリスク要因の一つです。ニコチンは血流を阻害するため、手術後の治癒不全やインプラント周囲炎の発生率を大幅に高めてしまいます。

重度の喫煙者の場合、歯科医院によっては治療をお断りすることもあるほど影響は影響が大きくなる場合があります。

たばこ

メンテナンス不足による感染症

インプラントは人工物だから虫歯にならない」と安心して、ケアを怠ってしまう方がいらっしゃいます。

確かに虫歯にはなりませんが、前述したインプラント周囲炎のリスクは常にあります。毎日のブラッシングが雑であったり、歯科医院での定期検診を受けなかったりすると、歯垢や歯石が蓄積し、細菌感染を引き起こします。

インプラントを長持ちさせるためには、治療後のメンテナンスこそが本番であると言っても過言ではありません。

インプラント周囲炎

衛生管理が不十分な手術環境

インプラント手術は、細菌感染との戦いでもあります。

手術に使用する器具が完全に滅菌されていなかったり、手術室の空調管理が不十分であったりすると、術中に細菌が入り込み、感染症を引き起こす原因となります。

一般的な歯科治療を行う診療台でそのまま手術を行う医院もありますが、成功率を高めるためには、清潔域と不潔域が明確に区切られた専用の手術室(オペ室)環境で治療を受けることが一つの判断材料になります。

滅菌

失敗しないための歯科医院の選び方

インプラント治療で後悔しないために重要なポイントの一つは、信頼できる歯科医院を選ぶことです。しかし、ホームページを見ただけでは良し悪しを判断するのは難しいものです。ここでは、医院選びの際に必ずチェックすべき具体的なポイントをご紹介します。

CT撮影による精密検査を行っているか

安全なインプラント手術を行うためには、レントゲン撮影(2次元)だけでは不十分です。

顎の骨の厚み、高さ、神経や血管の位置を立体的(3次元)に把握できるCT撮影が非常に重要です。CT検査を行わずに「経験と勘」で手術を行うことは、今の時代の医療水準としては慎重な判断が求められます。

カウンセリングや検査の段階でCT撮影を行い、その画像を見ながら詳細な説明をしてくれる医院を選びましょう。

CT画像

感染対策と専用手術室の有無を確認

手術環境の清潔さは、感染症リスクを直結します。

以下の表のような設備や体制が整っているかを確認してみてください。

これらはホームページの設備紹介ページや、カウンセリング時に直接聞くことで確認できます。

チェック項目 確認のポイント
手術室(オペ室) 個室の専用手術室が完備されているか
滅菌体制 器具は患者ごとに滅菌パックされているか
術衣・ドレープ 使い捨て(ディスポーザブル)の製品を使用しているか
空気清浄 医療用の空気清浄機などが稼働しているか

治療実績や歯科医師の経験をチェック

インプラントは経験値が技術に反映されやすい治療法です。年間何本の手術を行っているか、開業してから何年の実績があるかは一つの指標になります。

また、日本口腔インプラント学会などの専門医や指導医の資格を持っているかどうかも、医師の知識レベルや研鑽度合いを測る目安になります。

ただし、症例数が多いことだけが正義ではありません。過去の症例写真を見せてもらい、自分の状態に近いケースがどのように治療されたかを確認することも有効です。

インプラント手術

メリットだけでなくリスクも説明するか

どのような医療行為にも必ずリスクは存在します。「絶対に成功します」「一生持ちます」といった良いことばかりを強調する医師には注意が必要です。

誠実な医師であれば、治療のメリットだけでなく、神経損傷のリスク、メンテナンスの重要性、万が一失敗した時の対応など、ネガティブな情報もしっかりと説明してくれます。

患者様からの質問に対して、言葉を濁さずに明確に答えてくれるかどうかが、信頼できる医師を見極めるポイントです。

カウンセリング

万が一失敗したと感じた時の対処法

もし治療後に「おかしいな」と感じたり、明らかにトラブルが起きたりした場合は、一人で悩まずに行動を起こすことが大切です。早期に対応することで、リカバリーできる可能性が高まります。

担当医に現在の症状を相談する

まずは手術を行った担当医に連絡し、症状を詳しく伝えましょう。

少し痛いけれど我慢しよう」と放置すると、炎症が拡大して状態が悪化してしまう可能性があります。信頼関係に不安がある場合でも、手術の経過を一番知っているのは担当医です。

まずは診察を受け、レントゲンなどで現状を確認してもらうことが解決への第一歩となります。

術後の痛みイメージ

他院でセカンドオピニオンを受ける

担当医の説明に納得がいかない場合や、対応に不信感がある場合は、迷わず他の歯科医院でセカンドオピニオンを求めましょう。

第三者の専門家の意見を聞くことで、現在の状態が客観的にどうなのか、どのような治療法が適切なのかを知ることができます。

大学病院やインプラント専門医が在籍する医院であれば、難症例のリカバリー経験も豊富なため、的確なアドバイスが得られるでしょう。

セカンドオピニオン

再治療やリカバリーの可能性を探る

インプラントが失敗した場合でも、必ずしも「もうインプラントはできない」わけではありません。

一度インプラントを撤去し、骨を造成する処置を行ってから、再度インプラントを埋入できるケースもあります。あるいは、インプラント以外の治療法(ブリッジや入れ歯)へ変更する選択肢もあります。

今の口内環境にとって何がベストな解決策なのか、歯科医師とよく相談して治療計画を立て直すことが重要です。

相談風景

保証制度の適用範囲を確認する

多くの歯科医院では、インプラント治療に対して独自の保証制度(5年保証や10年保証など)を設けています。

失敗の原因が医院側にある場合や、予期せぬトラブルの場合、無償または一部負担で再治療が受けられる可能性があります。

治療契約書や保証書を確認し、どのような条件で保証が適用されるのかを確認しましょう。ただし、定期メンテナンスに通っていない場合は保証対象外となるケースが多いため注意が必要です。

インプラント保証書

まとめ

この記事では、インプラントのよくある失敗について解説してきました。

  • 術後2週間以上続く痛みや、インプラントの揺れは一つの目安となる症状の場合があります
  • 失敗の原因は医師の技術不足だけでなく、喫煙やメンテナンス不足など患者側の要因もある
  • CT検査や専用手術室の有無、リスク説明の姿勢を確認して信頼できる医院を選ぶ
  • トラブル時は放置せず、早めに担当医への相談やセカンドオピニオンを利用する

インプラント治療は、正しい知識を持って医院を選び、適切なケアを行えば、生活の質を大きく向上させる素晴らしい治療です。不安な点は納得いくまで質問し、安心して治療に臨んでください。

この記事の編集・責任者は歯科医師の新殿慶太です。

歯科医師 新殿 慶太

略歴
2017年 国立大学法人 鹿児島大学 歯学部卒業
2017年 尾道市公立みつぎ総合病院 研修医
2018年 広島県下 歯科医院 勤務
2021年 加古川アップル歯科 勤務
2022年 加古川アップル歯科 副院長就任
2024年 梅田アップル歯科 院長就任
ライセンス
歯科医師免許
臨床研修医指導歯科医
所属学会
臨床研修医指導歯科医
日本口腔インプラント学会
臨床歯周病学会
日本顎咬合学会
受講セミナー
LSGP
Σ会
大阪SJCDベーシックコース
咬合補綴治療計画セミナー
木原先生診断セミナー
i6GBRセミナー
GPOアドバンスコース
デジタルベーシックハンズオンコース
HIPPSベーシックコース
HIPPSアドバンスコース
横山昌憲先生エンドハンズオンコース
岩田塾
広島大学Almuni Association
青山徹児先生ダイレクトボンディングハンズオンセミナー
大谷一紀先生ダイレクトボンディングセミナー
Institute for Clinical Expertise and Evidence in Dentistry
Evening Seminar
2023国際歯科大会、2025young dental
明石矯正会レギュラーコース第40期
FIDI22期インプラントハンズオンセミナー
梅田アップル歯科の院長
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インプラントで失敗しないために。代表的な症状と医院の選び方を解説 | 公開日: 2026/02/26 | 更新日: 2026/02/26 | by 梅田アップル歯科

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