重度ガミースマイルは歯医者で治療できる？

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重度ガミースマイルに不安を抱えている方へ

重度のガミースマイルは歯科治療で改善できるのかと不安をお持ちの方へ

当院では、これまで数多くのガミースマイルの患者様を診てきました。その中には、一般的なガミースマイルよりも 症状が重いのではないかと不安を抱える方も少なくありません。

よくいただくご質問には、以下のようなものがあります

ガミースマイルは見た目に影響する症状だけに、このような不安をお持ちになるのは当然のことですが、多くの場合は歯科で治療が可能です。

重度かどうかの判断は、実際の診察が必要となりますが、この記事では、そういった不安を少しでも解消できるよう、詳しい情報をご紹介していきたいと思います。

まずは軽度・重度の基準からご説明させていただきます。

当院が重度のガミースマイルと診断するのは、 歯茎が10mm以上露出している場合です。

（ちなみに軽度と診断するのは歯肉が3〜4mm露出している場合。）

一般的に、ニコッと笑ったときに、上の前歯が1〜2mm程度見える状態が美しく見えると言われていることから、重度ガミースマイルの場合は前歯よりも歯茎が大きく目立っていしまうため、審美性に影響する可能性はあります。

基準値を超えているからといって、早急に治療が必要かと問われると、必ずしもそうではありませんが、歯茎が大きく露出しているということは唾液が乾燥しやすい状態ですので、虫歯の発生や歯周病の進行、口臭の強さに繋がることが考えられます。

「唾液は汚い」という印象をお持ちかもしれませんが、唾液には食べかすや歯垢をある程度洗い流してくれる自浄効果や抗菌作用など、私達の体を守ってくれる機能があります。

つまり、唾液が乾燥しやすい 重度のガミースマイルは、お口の病気を引き起こす一つの要因になることが考えられます。

重度のガミースマイルであっても、基本的な治療は 軽度の症例と大きく変わらない場合が多いです。

症状に応じて、歯肉と骨を調整する「歯冠長延長術（クラウンレングスニング）」や、上唇の動きを制限する「上唇粘膜切除術（リップリポジショニング）」を単独もしくは組み合わせて行うことで、審美性の改善を目指します。治療回数は通常より増える可能性がありますが、治療の難易度自体が大幅に上がることはありません。

ただし、骨格や咬み合わせに起因する場合は、 「歯列矯正」や上顎骨を調整する 「上顎骨切り術」、あるいは その両方の治療が必要となることがあります。

特に上顎骨切り術は、入院設備のあるような口腔外科医での手術が必要です。

ガミースマイルの具体的な治療方針は、前歯の状態はもとより、「顎骨の位置」「歯肉の露出量」「唇の筋肉量」など、複数の要因を総合的に評価して決定します。

重度の症例では、治療後の後戻りリスクを考慮した治療計画を立てることが重要です。軽度の場合は歯肉の切除のみで対応できることもありますが、重度の場合、歯肉の再生や上唇を持ち上げる力が強いことにより、後戻りのリスクが高まるためです。

上顎の骨を切除、更に左右の歯（通常は第一小臼歯）を抜歯することで、前歯部を後方移動させて見た目を改善します。

Before

After

治療の内容	上唇粘膜切除術によるガミースマイル治療。
期間・回数	1月・3回（カウンセリング含む）
費用	自由診療：合計 165,000円（税込）
リスク・副作用	歯肉を切開するため術後口腔内の清潔が保てなければ後戻りや感染のリスクがあります。切除直後は数日から数週間露出した歯質がしみる場合があります。創傷治癒の際に、切除した部分が後戻りする可能性があります。切除した歯肉は後戻りしませんが、徐々に歯茎が下がってしまうことがあります。術後冷たいものや甘いもの、外気などが一過性にキーンと滲みる知覚過敏を起こす可能性があります。処方された薬剤の服用により吐き気、めまい、眠気、咳、お腹が緩くなるなど一時的な副作用が現れることがあります。

ガミースマイルの治療は、重度であっても矯正を伴わなければ通常1回（60〜90分程度）で完了することが多いですが、骨切り術や歯列矯正といった治療が必要である場合は2〜3年程度の期間がかかることもあります。

ガミースマイルの治療は歯茎の露出量というより、行う施術によって治療期間が異なります。

自身の場合どのような治療が必要で、どの程度の治療期間を要するかは、歯科医師の診断を受ける必要があります。