ガミースマイルは矯正でしか治せない？

矯正治療が必要な症例について

矯正治療が必要な例として最も多いのは、不正咬合の方です。咬み合わせや歯並びに問題がある場合は、歯肉や粘膜の切除だけでは改善できない可能性が高くなります。

程度にもよりますが、例えば、重度の出っ歯（上顎前突）や、上の前歯が下の前歯を覆っている過蓋咬合という歯並びは、ガミースマイルになりやすいと言われる不正咬合ですが、これらは歯列矯正によって、咬み合わせを治さなければガミースマイルの改善は難しい場合が多いです。

もちろん個人差はありますが、矯正治療ではを動かし、歯や歯茎のポジションを変えることで、上の歯茎の露出を抑えられる場合があります。

それでも歯茎が見えやすい場合は、歯列矯正に加えて歯茎や粘膜の切除などを併用することで、さらに効果を得られやすくなります。

矯正治療だけで治るのか、歯茎や粘膜の切除も必要なのかは、正直な所矯正治療を終えてみないとわからない場合があります。しかし、歯茎や粘膜の切除だけでは治らないケースは、矯正治療が必要になります。

矯正併用でも治らないガミースマイル

ガミースマイルの中には、歯列矯正に加え、歯肉や粘膜にメスを入れても治らないケースもあります。それは主に骨格が大きく影響している症例です。アンカースクリューを用いた矯正治療でも、上の歯を持ち上げられる距離には限度があり、それ以上は骨切り術という外科矯正が必要となります。

上の顎の骨をいったん切り離し、ガミースマイルの改善に必要と見られる量を調整する治療方法で、別名ルフォー（Le Fort）と呼ばれています。

ルフォーは全身麻酔などを使うなどリスクも伴い、入院も必要なため、治療を受けるには専門的な技術と設備がある医療機関に限定されます。

歯並びだけの問題、例えば軽い出っ歯であれば、矯正治療で改善が期待できますが、上の顎の骨の移動が必要である場合はルフォーでなければ審美回復は見込めないケースは一定数おられます。