部分矯正ができないのはなぜ?部分矯正で歯並びを治すために必要なこと。
日本人は、顎が小さく、歯並びが悪い人が多いと言われています。
平成23年の歯科疾患実態調査では、叢生(ガタガタ歯並び)は44%、空隙(すきっ歯)が12%という結果が出ています(※1)。その他、割合までは示されていませんが、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、開咬(ポカン口)などの不正咬合をあわせれば、少なく見積もっても60%は不正咬合であると考えられるでしょう。
そんな矯正治療が必要な人にとって、「これなら出来るかも」というハードルの低い矯正が部分矯正です。しかし、部分矯正は自分が望んだからと言って出来るものでもありません。
ここでは、部分矯正が出来る人、出来ない人の基準や例を詳しくご紹介いたします。
※1)12歳以上20歳未満で叢生のある者は約44%(表 21、図 21)、歯列に空隙のある者は約12%(表 22、図 22)であった。
部分矯正とは、通常全ての歯を装置を使って動かすのに対し、一部の歯だけを動かす治療です。
歯科用語では「MTM(Minor Tooth Movement)」と言われ「プチ矯正」や「小矯正」と言われることもあります。
部分矯正は限られた数の歯を動かすため、治療の期間や費用も抑えることができる反面、適応症例が限られているため、全ての人に提供できる矯正治療ではありません。
歯の一部にマルチブラケットという凹凸のある装置を着け、ワイヤーを通して歯に矯正力をかける装置です。
歯全体を覆うアライナー(マウスピース)に少しのズレを使ることで矯正力をかける矯正装置です。
矯正治療というのは、単に歯を並べるだけの治療ではありません。矯正治療は「咬み合わせを作る」治療です。
そのため、例えば気になる歯が上顎だけであっても、下顎の噛み合う歯も一緒に動かしてあげる必要があります。仮に片顎だけ動かした場合、歯がしっかり噛み合わないために顎関節に負担がかかったり、特定の歯に集中して力がかかることで、歯がポキっと折れる原因になることもあります。
ですから、基本的には部分矯正であっても「両顎で行う」というのが通例です。ただし、1歯のみ・2歯のみの捻転や叢生など、稀に片顎だけの装置で治療ができる症例も、まったくないわけではありません。
当院では、ワイヤー矯正による部分矯正も扱っていますが、マウスピース矯正による部分矯正になる場合が大半です。
ワイヤー矯正は歯を動かす自由度が高いですが、ワイヤー矯正で歯をキレイに並べるには、矯正医の知識と技術が不可欠です。そのため、診断から手技に至るまで、矯正医による調整が必要になってきます。
一方のマウスピース矯正は、最初の治療計画をしっかり作れば、ある程度コンピューターが計算をしてくれくれます。そのため、歯科医師は治療の進行に合わせて歯の動きを確認したり、アライナーに力をかけるためのアタッチメントを装着するなどの手技を行います。アタッチメントの装着場所もコンピューターによって示されるため、矯正医の知識や技術を要する必要が極めて低くなります。
つまり、同じ症例でもワイヤー矯正よりマウスピース矯正のほうが技術や知識に頼る部分が小さく、矯正医に頼らなければできない症例が少ないため、マウスピース矯正のほうが提供しやすいというのが大きな理由です。
マウスピース型矯正装置の適応範囲は、例えばインビザラインgoという矯正装置を使う場合、前歯から数えて1番〜5番目の歯を動かすことができます。
つまり、6番目・7番目の歯がしっかり咬み合っている・動かす必要がないというのが、一つの目安です。その上で、歯を後ろに送る必要がない、歯の移動距離が最大5mm以内というのが条件で、アライナー(マウスピース矯正型装置のこと)が20枚以内に収まる必要があります。
また、少し費用は上がりますが、インビザラインgoプラスであれば、1〜6番目の歯を動かすことができ、歯の移動距離は最大6.5mm程度まで、アライナーの枚数も26枚まで使用することができるため、適用範囲は広がります。
近年、インビザラインgo・goプラスでは、様々な不正咬合を治療できるようになってきており、できる可能性がゼロの不正咬合の種類はありません。ただし、いずれも適応できるのは「軽度」であること、もしくは条件に合った症例の場合となります。
以下は一般的に部分マウスピース矯正で治療ができる可能性が高い不正咬合と、低い不正咬合です。
部分矯正ができる不正咬合 | 空隙歯列(主に正中離開)・叢生(軽度)・上顎前突(軽度) |
---|---|
部分矯正が難しい不正咬合 | 上顎前突(中等度以上)・下顎前突・開咬・過蓋咬合 |
部分矯正ができない人の大きなポイントは「奥歯が正しく噛んでいない」ことです。自分自身では「奥歯は噛んでいる」と思っていても、実は噛み方の位置がおかしかったり、歯と歯が正しく接触していない場合もあります。そのため、奥歯が噛んでいるかどうかの判断は歯科医師の診断が必要となります。
もう一つのポイントは、歯の移動量です。部分矯正で歯を並べられるのは、およそ5mm〜6.5mm程度の歯の移動距離です。歯1本の幅が7.5mm〜8.5mmですので、抜歯が必要な矯正となる場合、実質部分矯正はできません。
また、歯を並べるためにはスペースを確保する必要があります。スペースを確保する方法には、抜歯・ストリッピング(歯を削る)・臼歯遠心移動(歯を後ろに送る)等の方法がありますが、部分矯正では抜歯と臼歯遠心移動は適用外のため、ストリッピングのみとなります。ストリッピングでは、1歯あたり最大0.5mm程度削ることができます。
つまり、ストリッピングでスペースを確保出来ない場合も、部分矯正の適応外になるということになります。
Before
After
治療の内容 | インビザラインgoによる空隙歯列の部分矯正とホームホワイトニングによる治療 |
---|---|
期間・回数 | 7ヶ月・8回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:インビザラインgo(部分矯正)+ホームホワイトニング 総額 400,000円(税込 440,000円) |
リスク・副作用 | マウスピース矯正
|
Before
After
治療の内容 | インビザラインgoによる空隙歯列の部分矯正とホームホワイトニングによる治療 |
---|---|
期間・回数 | 6ヶ月・9回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:マウスピース型矯正装置(部分矯正)+ホームホワイトニング 総額 400,000円(税込 440,000円) |
リスク・副作用 | マウスピース矯正
|
Before
After
治療の内容 | インビザラインgoによる上顎前突の部分矯正とホームホワイトニングによる治療 |
---|---|
期間・回数 | 10ヶ月・9回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:マウスピース型矯正装置(部分矯正)+ホームホワイトニング 総額 400,000円(税込 440,000円) |
リスク・副作用 | マウスピース矯正
|
自分の咬み合わせがどんな不正咬合で、どの程度なのか、ご存知の方はあまりいません。そのため、ここでこの記事を読んだからと言って自分が部分矯正の適用内なのか適用外なのか、知ることは難しいかもしれません。
インビザライン矯正の場合、iTeroという光学式口腔内スキャナーを使うことで、簡単に矯正治療でどのように歯が動くのか、シミュレーションを行うことができます。
もし部分矯正による矯正治療をご検討でしたら、一度矯正シミュレーションを受けてみてはいかがでしょうか。当院では、矯正シミュレーションを歯並び無料相談の一部に含んでいます。興味があればお気軽にお申し込み下さい。
矯正治療というのは、健康保険の適用もなく、時間や費用がかかる治療です。
しかし、部分矯正と言えど、短くても半年程度、さらに数十万円の治療費を要します。そのため、当院では矯正治療に関しては、全体矯正でも部分矯正でも無料相談を設けています。
自分が部分矯正で治療できるかどうか、その場合費用や期間はどれぐらいで、装置にはどんな選択肢があるのかなど、詳しくお話することができます。
部分矯正をご検討中でしたらお気軽にご利用下さい。
医院情報
医院名:梅田アップル歯科曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
診療情報
休診日:日曜・祝日
※日曜・祝日診療は下記診療カレンダーをご覧下さい。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
|
休診日
日曜・祝日診療
13時迄
アクセス・地図
アップル歯科の治療は大阪・兵庫の8医院で受けられます
アップル歯科グループ