親知らず・第3大臼歯・智歯、様々な呼び名のある親知らず。この20歳前後に生えることの多い歯は、抜歯をした方が良いとされることの多い歯です。
その理由は「痛みが出る場合が多い」ことや「歯並び・咬み合わせに影響するから」、そして咬み合わせ上「必要のない歯」であるからです。
特に「痛みが出る」ことについては、皆さん決して嬉しいことではありません。歯の痛みは時として耐え難い痛みを生じ、親知らずも例外ではありません。
できれば味わいたくない「親知らずの痛み」。では、なぜ親知らずは痛くなるのでしょうか。以下は親知らずが痛む場合の、主な4つの原因です。
萌出(ほうしゅつ)とは、歯が生えることを言います。親知らずは萌出時に歯茎から飛び出そうと歯肉や隣の歯を押します。また、歯の頭を出す瞬間は歯肉を突き破って出てきます。それにより放出時は痛みを感じます。この痛みは、親知らずがまっすぐ生えてくれば治まりますが、斜めや横向きに生えてくる場合は痛みが続くことがあります。
親知らずは一番奥の歯のため歯ブラシが届きにくかったり、入り込めない場合があります。また、生え方によっては、斜めに生えたり隣の歯にあたることで、細菌が溜まりやすい環境となります。そのため親知らずは虫歯や歯周病に罹りやすく、且つ、鏡で見ても目視しづらく、気づくのも遅くなります。
親知らずが生えると、隣のとの隙間ができます。この隙間は歯ブラシが届きにくく、プラーク(歯垢)が溜まりやすい環境となります。プラークとは細菌の塊で、このプラークに生息する菌により歯肉が炎症をお越し、痛みを発します。この炎症を智歯性周囲炎(ちしせいしゅういえん)と言います。
親知らずが虫歯や歯周病に感染した際、その菌が悪さをして親知らずの周りの組織に波及することで、炎症を起こします。歯性感染症は頬や顎が大きく腫れたり、炎症が内臓などにも及ぶこともあります。歯性感染症は親知らずに限った病気ではありませんが、親知らずが原因となることも多い病気です。
親知らずの痛みは、何らかのサインです。そのサインは、「これから親知らずが生えるよ」とか「親知らずの周りにバイキンが溜まっているよ」、「親知らずが隣の歯に悪さをしているよ」など、様々な意味を持っています。
しかし、このサインを適切に読み解くのはご自身では難しい場合が多く、放っておくと、症状が悪化したり、咬み合わせや歯並びに影響したり、歯性感染症のように全身に影響を及ぼすこともあります。
そのため、親知らずの痛みが出たら、まずは歯科に掛かりましょう。親知らずに限らず、虫歯でも歯周病でも、歯に「痛み」が出た場合は、それなりに虫歯や歯周病が進行している場合が多いです。痛みが出たら、迷わず歯科で診てもらいましょう。
親知らずが痛み始めたら、まず最初に歯科医院を探しましょう。例えば翌日には痛みがましなったり、治まることもあるかもしれません。しかし、それは一時的なもので、再び痛みが出たり、もっと強く痛む恐れもあります。しかし、すぐに歯医者に行くことはできないことも多いですので、とりあえずの痛み対策として、以下のことを試してみましょう。
歯痛みが出ている患部周辺を柔らかめの歯ブラシでブラッシングします。この時強い力で当てると、歯肉を傷つけ、かえって痛みが増す場合があります。
優しく、丁寧にブラッシングすることで、たまっていた食べかすや細菌を取り除くことで、痛みが和らぐことがあります。
患部を氷嚢や冷却シートで冷やすことで、痛みが和らぐことがあります。しかし急激に冷やすと痛みが強くなることもあるので、氷などをタオルなどで包んで優しく患部に当てます。
逆に、温めると血行が良くなり、痛みが強くなります。お風呂なども控え、シャワー程度にします。
薬局などで症状に「歯痛」が含まれている痛み止めを購入し、服用していただくと一時的に痛みを抑えることができます。
主な成分としては、「ロキソプロフェンナトリウム」「イブプロフェン」「アセトアミノフェン」などが含まれていると効果を得られる場合が多いです。お薬は薬局で薬剤師さんの説明を受け、服用しましょう。
親知らずは、痛みが出ると「抜歯」の診断が下ることが多くあります。これは、例えば親知らずを治療しても、その原因が親知らずである以上、抜歯しない限り再発のリスクがある場合や、その親知らずが隣の歯に悪影響を及ぼしたり、虫歯や歯周病を感染させる原因となることも多いためです。
そこで多くの方が気になるのが、抜歯時の痛みです。親知らずは歯科医師の指が入りにくい一番奥の歯で、且つ顎の骨にしっかり根付いています。これだけでも抜歯が困難であることはわかりますが、実際抜歯をする際にも、歯肉をメスで切ったり、歯を割って分割して抜歯を行うこともあります。そのため、他の歯よりも抜歯の難易度が高いこともあり、生え方(近くに大きな神経がある場合等)によっては、麻痺や開口障害になる恐れもあることから、大学病院などの入院設備のある歯科口腔外科などで、抜歯を行わないとリスクが高い場合もあります。
しかし、抜歯時は麻酔をしているため通常お痛みを感じることはありません。ただし、技術が未熟な歯科医師であれば、唇を強く引っ張ったり、強い力をかけたりすることで痛いと感じることもあるかもしれません。傾向的には、上顎の親知らずは骨も柔らかく抜歯も比較的容易ですが、下顎の場合は骨も固く、下歯槽神経という大きな神経も通っているため、難易度も高くなります。
しかし、お痛みの原因が「放出時の痛み」で、親知らずがまっすぐ生えてきている場合は、抜歯の必要はありません。
親知らずの抜歯は、条件が整っていれば当日に抜歯することもあります。しかし、当院の場合、ほとんどの場合は当日以外の抜歯になることの方が多くなります。それには、大きくわけて5つの理由があります。
親知らずの抜歯は、メスを使って切開したり、歯を分割して抜歯することもあるため、抜歯するのが「怖い」と感じる方は少なくありません。しかし、痛みもさることながらさらに怖いのが「抜歯後の麻痺」などの後遺障害です。
例えば上顎の場合、抜歯した歯が上顎洞という頬の裏の空洞に迷入してしまったり、下顎ならば親知らずが下歯槽神経という大きな神経の側に生えていたために抜歯によって神経に触れ、顎に麻痺が残ってしまうという偶発症(検査や治療に伴い 偶発的に生じる症状)が稀に起こることもあります。
これらの偶発症を防いだり、しっかり抜歯術の術式を選ぶためには、きちんとした検査や、治療前のお口のクリーニングが重要となります。
例えば、親知らずの抜歯において、CTを撮らずにレントゲンだけで抜歯を行うと、骨の厚みや下歯槽神経・上顎洞の位置関係を正しく知ることができません。また、お口に細菌が繁殖した状態で治療を行うと、傷口にバイキンが入り、歯性感染症などの炎症が起こりやすくなります。
したがって、親知らずの抜歯が「怖い」と思うなら、しっかりと検査をして、手順を説明してくれる歯科医院を選びましょう。
もし、この記事を読んでいるあなたがが「親知らずが痛い」ために、その対処法を調べておられるのであれば、ご自身で出来る対処法では根本の解決はできないということをご理解下さい。
例え薬を飲んで痛みが治まっても、その原因が虫歯であればお薬では治りません。隣の歯を押して出ているのであれば薬では止まりません。逆に、薬でごまかして何日も放置し続けると虫歯や歯周病は進行を続け、隣の歯を押しているのであれば隣の歯にダメージを与えたり、歯並びに悪い影響を与え続けている可能性もあります。
一時的に痛みを取るのではなく、痛みの原因を取り除くためには、やはり歯科治療必要です。
親知らずは、痛みが出れば「抜歯」になることが多いです。しかし、痛みが出る前に抜歯をすることも可能です。また、親知らずがまだ放出していない状態でも、抜歯することも可能です。
あるいは逆に、自身の親知らずが抜歯の必要な歯かどうかを調べることも可能です。また、その親知らずがどのような状態で、いつ抜いたほうが良いか、どんなリスクがあるのかを予め説明を受けることも可能です。歯科用CTがあれば、レントゲンよりも詳しく親知らずの状態を検査し、ご説明することができます。
親知らずのことでお悩みでしたら、どんなことでも結構ですので、お気軽にご相談下さい。
医院情報
医院名:梅田アップル歯科曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
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休診日:日曜・祝日
※日曜・祝日診療は下記診療カレンダーをご覧下さい。
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