歯周病とは、お口の中に繁殖する細菌によって感染する炎症性の疾患です。お口の中には、400種類以上の細菌が少なくとも1,000億個以上生息していると言われています。菌の構成は年齢やむし歯体質・セルフケアの量と質なと人によって異なりますが、歯周病疾患が進行している場合は、歯周病の原因菌が多く発生しているということになります。歯周病に感染すると、サイレントディジーズと呼ばれるほど静かに感染していきます。そのため進行に気が付かず、気づいたときには歯ぐきブヨブヨになっていたり歯がぐらついたり、他の全身疾患を引き起こしたりすることもあります。
また、歯周病はむし歯と同じく感染する病気です。コップやペットボトルの回し飲み、お箸の使い回し、キスなどでも感染ることで知られています。歯周病は自身が苦しむだけでなく、ふとしたこと他人にも感染してしまう怖い病気です。ですからまずは歯周病に罹らないこと、そしてかかったらすぐに治療が始めることが大切です。
歯周病が進行すると、以下のような症状や問題が現れます。
それぞれ最初は気にならない程度の問題です。そのため「もう少し様子を見る」が長くなり、歯医者に行く頃にはかなり進行が進んでしまっている場合もあります。歯周病で溶けてしまった歯は元には戻りません。「歯周病かな」と思ったら、迷う前に歯科に罹ることが大切です。
※1)抜歯の主原因別の割合で最も多かったのは歯周病(37.1%)、次いでう蝕(29.2%)、破折 (17.8%)、その他(7.6%)、埋伏歯(5.0%)、矯正(1.9%)の順となった
歯周病の進行は症状によって段階に分かれています。日本歯周病学会のガイドラインによると、歯面に細菌性プラークの付着があり、歯槽骨の吸収があれば歯周病という判断になります。歯槽骨の吸収がなくても歯肉の炎症があれば歯肉炎(歯周病の始まり)となり、大きくわけると歯周病に分類されることもあります。そして歯周病と判断された場合は、歯周組織の破壊の程度もしくは炎症の程度によって、以下のように分類されます。
STEP1
歯周病に罹患していない健康な状態です。色はきれいなピンクで、炎症もありません。
STEP2
プラーク(歯垢)が溜まり、歯周ポケットがやや広がります。歯肉には軽い炎症が起きています。
STEP3
歯肉は腫れ始め、歯周病菌により歯根膜の破壊が始まります。歯周ポケットは4mm未満で、歯石が溜まりやすくなります。
STEP4
歯を支える骨は半分程度まで破壊され、歯周ポケットは深さが4〜6mm未満広がります。炎症は強くなり歯がグラつき始めます。
STEP5
歯を支える骨は半分程度まで破壊され、歯周ポケットは深さが4〜6mm未満広がります。炎症は強くなり歯の動揺が始まります。
STEP6
歯周病は歯が抜ける原因となる病気です。1が抜けると他の歯も弱くなり徐々に歯を失っていきます。
レントゲンによって歯槽骨吸収度やアタッチメントロスを調べます。
プローブという器具を使って歯周ポケットの深さを調べます。
歯周病の原因となる付着プラークを特殊な染料で染め出します。
唾液を採取し、お口の中の菌数や活動状況を確認します。
歯周病治療は、これらの検査を必要に応じて行い、現在の歯周病の状態を把握することから始まります。歯周病の段階に応じて必要な治療計画を歯科医師・歯科衛生士がご提案致します。
歯周病が怖いのは、何も歯が抜けることだけではありません。もちろん歯が抜けることも十分怖いとは思いますが、それ以外にも怖いことはたくさん起こります。
まずは「他の歯も抜けること」です。歯周病は感染症です。検査は1本1本行いますが、1本の歯が歯周病で抜けるということは、他の歯も感染により抜けるリスクがあるということです。
また、歯が一本抜けると、その歯の隣の歯や対合の歯は、支えあたったり、噛み合ったりする歯がなくなり、抜歯のリスクが高くなります。指で考えてみましょう。病気で人差し指を失ったら中指もなくなるかもしれない、そう考えると怖い病気だとわかるのではないでしょうか。
そして何より怖いのは、歯周病と全身疾患の関わりです。歯周病が血液中に入り込むと、脳卒中や心臓病(狭心症・心筋梗塞・感染性心内膜炎)などを引き起こしたり、糖尿病の原因となったり、気管支炎や肺炎になることもわかってきています。歯周病はお口の中ではなく、体の健康にも影響する恐ろしい病気と言えます。
2020年、九州大学の研究チームによって、歯周病によるアルツハイマー型認知症関与を解明する新しい発見が発表されました(※1)。これは認知症の中でもいくつか種類があり、最も多いのが「アルツハイマー型認知症」と言うそうです。このアルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβというタンパク質が溜まることで発生するとされており、そのタンパク質を溜める役割をしているのが歯周病菌であるという発見です。アミロイドβが脳に留まると、脳からの信号が鈍くなり、進行すると神経細胞が破壊され、脳が萎縮し、認知症になるということです。
つまり、歯周病が進行すると認知症になるリスクが高くなるということです。ということは逆に口腔内を衛生的に保ち、歯周病をコントロールすれば認知症のリスクも下げられるということになります。当院が力を入れている予防歯科は、この歯周病に対して大きなアプローチを行う治療です。歯周病をコントロールするとは、お口の悩みだけではなく心身の健康にもつながります。
歯周病になる手前
歯磨き指導と歯のクリーニングで落ち着く場合が多いです。歯磨き指導は、軽度〜重度まで全ての場合において必要です。歯肉炎を繰り返すと歯周病へと移行する可能性が高くなりますので、歯磨き指導で正しいケアの仕方を身に着けて頂きます。
治療が必要になる状態
スケーラーという特殊な器具を使ったスケーリングという処置で、歯面の歯石や歯垢を除去します。また、段差や凹凸が出来ているような古い詰め物・被せものは歯垢が付きやすいのでやりかえを推奨します。
かなり進行した状態
スケーリングに加え、スケーリング・ルートプレーニングという、歯や歯根の表面の歯垢・歯石を除去する処置を行います。古い詰め物・被せ物はやりかえを推奨します。場合によっては、歯肉の切除や歯肉を開いて歯石を除去する「歯周外科」が必要になります。
歯を失う可能性のある状態
スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング、歯周外科など、あらゆる処置で歯石や歯垢を除去し、歯肉の回復を図ります。それでも場合によっては抜歯となる可能性もあります。
歯周病は、歯ぐきの病気と思われがちですが、実は最もダメージを受けるのは、歯ぐきの中の歯槽骨という歯を支える骨です。歯周病が進行すると、この歯槽骨がじわじわとダメージを受け、徐々に溶けていってしまいます。そのため、歯周病が進行した患者様の歯は長く見えたり、隙間が多く見えますが、これは歯が伸びたり痩せたりしているのではなく、歯肉と歯槽骨が退縮している状態なのです。
その上、歯周病はサイレントディジーズと呼ばれるほど痛みなく進む病気です。たとえ一度治療して進行が止まったとしても、いずれぶり返してしまうこともあります。
歯科での予防やメインテナンスは、この歯周病に対してとても有効な処置を行います。歯周病の治療が終わった後も、定期的に予防や治療を続けることが、歯周病から歯や歯肉だけでなく、体を守る手段となります。
アップル歯科では、痛みを伴うかもしれない治療より、痛みのない予防で皆様と定期的にお会いできることを、心より望んでいます。
アップル歯科公式youtubeチャンネルでは、実際の歯周病治療(歯石除去)動画を公開しています。
医院情報
医院名:梅田アップル歯科曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
診療情報
休診日:日曜・祝日
※日曜・祝日診療は下記診療カレンダーをご覧下さい。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||||||||||||||
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