歯周病を治療・予防しよう

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歯周病の治療と予防

歯周病は予防できます

歯周病の原因を知ろう

歯周病の主な原因は「歯垢(プラーク)」です。歯垢は歯や歯と歯茎の間に付着した、白くてネバネバした塊です。

歯垢は食べかすのようで実は違って、細菌とその代謝物によって構成されています。なんと歯垢1mgには1億個以上の細菌がいると言われています。

この歯垢は、食事の後の食べかすや糖分に細菌が集まり、およそ4〜8時間で形成されていきます。さらにその歯垢は48時間(2日)ほどで歯石という硬い石のようなものとなって歯に付着し、自身では取れなくなっていきます。

歯石の表面はデコボコしていて、これがまた細菌にとって格好の住処となっていまいます。そして歯垢をためると歯石になり、その歯石にまた歯垢がたまるという、負のスパイラルが起こってしまうわけです。

つまり、歯周病の原因は細菌で、その細菌の餌が食べかす、そしてその細菌の住処が歯石となります。歯周病はこの3つの原因が相まって、あなたのお口を徐々に蝕みます。

歯垢が溜まって腫れた歯茎

歯周病の治療方法

歯周病の症状を抑えるには、歯周病の原因を取り除く必要があります。歯周病の最大の原因は、「歯垢」という細菌のかたまりです。歯垢がたまると細菌は更に繁殖し、歯周病が進んでいきす。治療では、この歯垢や歯石を徹底的に取り除くことが重要となります。

自身でできる予防としては、毎日の歯磨きがあります。これを「セルフ・ケア」と言い、さらに、歯医者での専門的なクリーニングを「プロフェッショナル・ケア」と言い、特殊な道具を使って歯面や歯と歯の間、歯茎に埋まった歯垢や歯石を除去します。

歯周病の治療はこのセルフ・ケアとプロフェッショナル・ケアを合わせて繰り返すことで歯垢の数をコントロールし、炎症などの症状を緩和していきます。つまり、歯周病の治療には患者と歯科医師(歯科衛生士)の協力が必要ということです。

ただし、プロフェッショナル・ケアでも歯周病の原因が取り除けない場合は、「歯周外科治療」という歯茎をめくって歯周病菌の住処を取り除く処置を行うこともあります。

歯石取りのイメージ

歯周病を予防するには

歯周病は顎の骨を溶かす病気です。そのため、歯周病が進行してしまうと、治療をしても溶けた骨は元に戻りません。つまり、治療が難しい病気と言えるでしょう。

しかし、歯周病は予防ができます。厳密には、歯周病そのものを予防するというより、歯周病菌の住処をなくすことで歯周病菌の活動を抑える、炎症や進行の予防と言えます。

つまり、歯周病菌の住処である「歯垢」や「歯石」を定期的に落とすことが、即ち歯周病の予防ということになります。

毎日セルフ・ケアをしっかり行い、歯科医院での定期的なメインテナンス(検査と清掃)を受けていれば、歯周病の発症・進行を予防できます。

虫歯感染のイメージ

歯周病についてもっと知ろう

歯周病とは

歯周病は、細菌のせいで歯の周りの歯ぐきが炎症を起こし、悪化すると歯を支える骨まで溶けてしまう病気です。

程度にもよりますが、日本人の30歳以上の成人の約8割がかかっていると言われるお口の病気です。

歯周病は初期段階では痛みはありません。しかし、普段の歯磨きで歯と歯ぐきの間がきれいになっていないと、そこに細菌がたまって歯ぐきが赤くなったり腫れたりします。

この状態が進行すると、膿が出たり歯がグラグラするようになります。最終的には、歯を抜くしかなくなることもある、恐ろしい病気です。

歯に菌が付くイメージ

歯周ポケットとは

歯周病が悪化する原因の一つに、歯周ポケットの深さというものが関係してきます。

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの境目の溝のことで、健康な歯肉でも1〜2mmのポケット(溝)があります。歯周病菌は空気が届きにくい場所を好み、この歯周ポケットは格好の隠れ家となります。

歯周ポケットに歯垢がたまると、歯周病菌が出す毒素によって歯肉は破壊され、歯周ポケットを深くしていきます。

この歯周病が4mmを超えると歯周病と診断され、6mmを超えると重度の歯周病となり腫れ・出血・歯の動揺など、様々な症状を引き起こします。

歯周ポケットの図解

歯周病の段階

歯周病はこれまで、歯肉炎・軽度・中等度・重度という呼ばれ方をしてきました。しかし、2018年にアメリカ歯周病学会(AAP)・ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)より歯周病新分類が発表され(※1)、日本の各歯周病関連の学会も、これに足並みを揃えています。

これまでの歯周病(軽度・中等度・重度)は、歯周ポケットの深さや症状で分類されてきましたが、新たな分類方法では、「歯周ポケットの付着歯肉の幅」や「骨の吸収」「歯の喪失の有無」に加えて歯肉辺縁からポケット底までの距離歯周病の範囲と分布によってⅠ〜Ⅳのステージ分類されるようになりました。

また、それに加え歯周病の進行リスクをA〜Cのグレードで表すようになっています。つまり最も軽い歯周病が「ステージⅠ・グレードA」で、最も重い歯周病が「ステージⅣ・グレードC」となります。

歯周病が詳細に分類されるようにはなったものの、患者さんにとっては判別が難しいものになってしまったと言えるでしょう。そのため、歯周病の症状に気づき、自分がどのステージにいるのかは、歯科医院での検査が必要になります。

歯周病の進行

歯周炎のステージ

歯周病のステージ表

歯周炎のグレード

歯周病のグレード表

※1)アメリカ歯周病学会(AAP)・ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)より 2018 年 6 月に、公表された歯周病新分類に対する日本臨床歯周病学会の対応を、以下の通りといたします。

歯周病と虫歯をブロック

日本人は歯が悪い?

予防歯科」という言葉を聞いたことはありませんか?最近では、歯磨き粉のCMなどでも、広く一般的に使われています。

実は、数十年前まで、日本人は世界的に見ても先進国では「歯が悪い民族」でした。と、いうのも、日本には古くから「健康保険」という素晴らしいシステムがあります。そのおかげで、病気になったり怪我をしてももわずかな費用で医療を受けることができます。

その反面、健康保険は病気や怪我にしか適用されず、予防には適用されませんでした。そのため日本人の多くは、予防で歯医者に行くのではなく、虫歯や歯周病になってから歯医者に行くというのが習慣化されてしましました。

しかし、健康保険のない海外の先進国では、虫歯や歯周病の治療費が高いため、費用を抑える意味でも、予防歯科が一般的に普及している国がたくさんあります。

その結果、日本人の歯の定期検診受診率は歯科先進国に比べ遥かに低く、8020(80歳で20本の歯を残す)達成者も、わずか一握りしかいなかったのです。

医療費

予防歯科は歯周病予防に最適

そんな歯が悪かった日本人ですが、実は年々8020の達成率は上昇傾向にあります。その主な要因は、国民の歯に対する意識の変化、強いては歯科検診の受診率の向上によるものと考えられます。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査(※2)」によると、2009年の調査で34.1%だった歯科検診受診率は、2016年には52.9%にまで上昇しました。それに比例して、平成5年にはわずか5%だった8020達成者は、平成28年には51.2%と大幅に増加しています(※3)。

これは予防歯科によって虫歯や歯周病が改善されたことが大きな要因ですが、実は日本人が歯を失う最大の原因は歯周病(※4)です。つまり、歯科検診受診率が上がって歯を失う確率が下がったということは、それだけ予防歯科(歯科検診)で歯周病から歯を守れたということに繋がります。

即ち歯科検診・予防歯科を継続することは、歯周病を予防し、歯を失う確率を減らすことにつながることがわかります。

歯科検診受診率と8020達成率のグラフ

※2)過去1年間に歯科検診を受けた者の割合は52.9%であり、平成21年、24年、28年の推移でみると有意に増加している。性・年齢階級別にみると、男女とも年齢が高い層でその割合が高い。

※3)8020達成者の割合(80歳で20本以上の歯を有する者の割合)は、75歳以上85歳未満の 20本以上歯を有する者の割合から 51.6%と推計され、前回査時(51.2%)とほぼ同じであった。

※4)抜歯の主原因別の割合で最も多かったのは歯周病(37.1%)、次いでう蝕(29.2%)、破折(17.8%)、その他(7.6%)、埋伏歯(5.0%)、矯正(1.9%)の順となった。

保険で継続的な歯周病予防

2022年、日本政府は「国民皆歯科検診」制度の導入を検討しているという発表がありました。これは、歯を守るだけではなく、お口の健康を守ることが身体の健康の増進と健康寿命の延伸を実現し、健康な人が増えることで医療費の削減につながると考えられるためと言われています。

この制度の導入は2025年を目標としていますが、実は2024年現在でも、歯周病の予防的治療が保険治療でも受けられます。

例えばSPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)という治療がそれにあたり、一度歯周病に罹患した人が、再度歯周病が悪化しないよう、病状が安定して良好となった歯周組織を維持するために行う定期的な歯周病治療です。

SPTでは検査や歯垢・歯石取り、咬合調整などの予防歯科に必要な処置を、保険で受診することが可能です。

保険証

予防歯科を始めましょう

このように、歯周病は予防歯科を始めることで、将来的に歯を守れることはわかっています。しかし、中には「悪くないのに歯医者にいくのは嫌」という人もまだまだいらっしゃいます。

しかし、歯科先進国でも知られるスウェーデンでは、1970年代に国家的なプロジェクトとして予防歯科を導入した結果、子供の歯科受診率は100%、成人でも80%以上が予防歯科を受診しているそうです。

その結果スウェーデンの80歳の平均残存歯数は21本と、8020を平均的に達成していることになります。

悪くない・痛くないのに歯医者に行くのは変」という考えは、もしかしたらもう古いかもしれません。日本でも、歯科検診受診率は年々増えて行きています。

これからは、痛い治療ではなく、痛くない予防で歯医者に通うのがスタンダードになっていきます。これを期に、あなたも予防歯科を始めてみませんか?

予防歯科の風景

大阪市北区・梅田周辺で通いやすい予防歯科をお探しなら

この記事の編集・責任者は歯科医師の新殿 慶太です。
梅田アップル歯科院長
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歯周病を治療・予防しよう | 公開日: 2024/01/30 | 更新日: 2024/05/21 | by 梅田アップル歯科

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